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人は自らの出自を考えるときはどんなときでしょう。
結婚？日本ならそんなものだと思います。
本当は単一民族じゃないけど多分強烈に民族など意識しません。
ナショナリストの扇動も実のところ日常生活では何の役にも立たないでしょう。

作家の鷺沢萠さんが自殺してなくなりました。３５歳です。
２，３冊読んだ記憶はありますがもう内容は覚えていません。印象が薄かったんだろうか。
軽い文体であったのは確かなんですが。

彼女の不幸はわざわざ意識させられた民族という宗教です。

２０歳までは自分に韓国人の血が流れていることなど知りもしなかった。
そして祖母が韓国人と知らされ内なる韓国を意識し始めた。
なんてのは党利一辺倒の民族主義者の妄想です。
日本において民族など社会的に外から強力に意識させられない限りたとえ韓国人でも
意識などしません。
社会的とは名前や差別です。皮膚の色も。
韓国人と日本人はことさら意識しない限り違いなど意識などしません。
そのことは在日の人にも聞いています。

無理やり強制的に意識させられた民族意識は強烈に彼女を引き裂いたことでしょう。
無国籍的に羽ばたくように浮遊していた彼女の精神は強烈に日本と韓国に引き裂かれたのだと思います。
軽い文体で成功した在日文学とやらも
在日文学であるがゆえに成功し、文学としては貶められたと。
在日という社会的に加えられた民族意識は彼女の精神を人間という器から民族という器に閉じ込めようとした。
彼女はその狭き器ゆえに苦しめられたのではないでしょうか。
何より彼女は誇り高き文学者だったのだとおもいます。