「悪魔の詩」

悪魔の詩
この本を知っていますか。
イギリス在中のイスラム作家サルマン・ラシュディ氏の作品です。
1990年?以来、彼はこの本の出版によりスコットランドヤードの保護下にあります。
それはイランの指導者故ホメイニ氏が彼に対してイスラム教徒に暗殺指令を出したためです。
この本に登場するマモメットが好色でイスラムを侮辱しているという理由からです。
ラシュディ氏は保護され(暗殺指令が撤回されたという話もありますが)生きていますが、
しかしこの暗殺指令によって殺された人もいます。
当時筑波大学助教授だった五十嵐一氏です。
彼は大学のエレベーター内で首を切られ殺されました。
彼はただ「悪魔の詩」の日本語訳をしただけです。


そのとき以来イランという国と宗教的暗殺という論理が分かちがたく結びついてしまい
しばらくイスラムが嫌悪の対象以外何者でもありませんでした。
さすがに自身の成長とともにそういう考えはなくなりましたが、キリストでもイスラムでも
人を殺す論理を内に秘める(そういう行為の正当化を導くことのできる)宗教にはいまだに
身を引いたところからでしかコンタクトできません。


韓国人の人質の方もアメリカ人についで首を切られて殺されました。
あの二人の死は多分五十嵐氏の死と分かちがたく結びついてしまいました。
宗教の論理はさまよい続けます。