「日本の衛星はなぜ落ちるのか」

hippydonky212004-07-28

asahi.comより
「昨年10月に電源系の故障で運用を断念した地球観測技術衛星「みどり2号」について、宇宙開発委員会の調査部会は26日、太陽電池板と衛星本体をつなぐ電力線の束に異常が起きたことが事故の原因とする報告書をまとめた。設計ミスで断絶したらしい。同委員会は衛星開発の進め方や安全対策などを総点検し、日本の衛星技術への信頼回復に努める考えだ。

 報告書によると、太陽電池板から衛星本体に電気を送る電力線104本の束を覆う断熱材が、放電など何らかの原因で発熱し、電力線が焼き切れた可能性が高いという。みどり2号では太陽電池の発生電力を初代の「みどり」より約15%増やす設計変更が行われたが、200度を超す温度上昇に対応できるような、十分な安全対策がとられなかった。 」


開いた口がふさがらないようなミスで衛星がだめになっています。みどり1号の早期故障の原因も確か太陽電池パネルの故障でした。このパネル、地球の昼側と夜側の温度差で変わる金属の収縮を過小評価したために電力線が引きちぎられるというお粗末さのためでした。今度は太陽の黒点活動の活発化に伴う宇宙線に対するシールドのお粗末さです。同じ原因で火星探査衛星もやられました。やられたのは見事に日本だけです。


バカ丸出しの官僚主義の産物とは言いませんが、日本が誇る技術の結集がこんなものです。
そもそも宇宙という一度手から離れたらすべて機械任せのものは、きわめて信頼度が高いシステムで組むのが当たり前なのに、日本はすぐに最先端とかのスローガンの下おバカな設計思想を積み重ねています。
H2のロケットだってアメリカのスーペースシャトルしか使っていない液体水素と液体酸素を燃料にして最先端だと威張っていますが、こんなもの四酸化窒素とモノメチルヒドラジンの組み合わせの確立した技術で十分で、衛星を確実に軌道に投入することこそ重要なのに、くだらない官僚主義的スローガンのせいで上げるべき衛星があがらないのです。アメリカの火星探査衛星の搭載コンピューターはもう10年以上前の確立したものです。間違ってもWINDOWSなど使いません。人間の手でリセットできる宇宙ステーションにはNTが乗っているそうですが。使い物にはならないようです。


研究は最先端をいってもらいたいものですが、世界一とか言うスローガンに対する官僚や官僚主義的な研究者の満足ためにどれだけ国民は払えばいいのでしょうか。
小泉の権力維持のために使う無駄金と同じくらいばかばかしいことです。