「世紀末の作法」

hippydonky212004-08-07

asahi.comより
「 出会い系サイトを利用した児童買春事件の摘発件数が、今年上半期(1〜6月)は昨年同期より10%以上増え、約370件にのぼっていたことが、警察庁の5日付の集計で分かった。昨年下半期(7〜12月)から増加傾向に転じており、このままのペースが続けば、統計を取り始めた00年以降の最多を記録するのは確実だ。

 同庁は、若者の間でいったんは沈静化していた出会い系サイトの人気が最近、復活し始めた可能性があるとみている。 」

援助交際をしている高校生に
「どうしてこんなことしているの?」
と聞く大人たちに彼女たちはよくこんな回答をしていました。
「人に迷惑をかけるわけじゃないし・・・。別にいいじゃない」
「しかし、体を売ること自体悪いことだし・・・」
大人たちは必死に次なる言葉を捜して右往左往していました。


社会に生きている以上われわれはみな他人に迷惑をかけるべからずと教えられ、現にイラクの人質事件のとき自己責任論を展開した人たちはこの根本をひとつの原理として採用していたことは言うまでもありません。
そう。彼女らは人に迷惑をかけてはいないし、むしろ彼女たちを責める大人たちこそが他人に迷惑をかけても平気な人たちの集まりであったわけです。
無責任しかとりえのない政治家や、欠陥の車を放置する企業人を代表に、大人たちはいつも
「ちょっとぐらいいいじゃない」とか
「見つからないから」
と他人に被害をかけています。
ほんの些細なことで言えば
吸殻やごみのポイ捨てはしていませんか?喫煙場所を守っていますか?列車の車内で携帯電話をかけていませんか?列車は並んで待っていますか?
朝起きてからわれわれはどれだけ社会的規範を犯しているでしょうか。
思い当たることだらけでしょ?
些細なことに目をつむることはいずれ大きなことにも盲目になります。


「体は売っても心はレイプされない」
宮台真司の本の副題です。

心はレイプされっぱなしのそれでも平気な大人たちは(買春するのも大人ですが)、まず少女たちに説教をたれる前にやることがあるのではありませんか。