短信 (暴力は暴力しかもたらさない)

asahi.comより
「 新生イラク警察が、拷問や私刑(リンチ)を実行しているとの訴えが増えている。来年後半の新憲法制定までの法基盤であるイラク基本法で拷問が禁止され、警察は米国の訓練により人権尊重を第一とする組織に生まれ変わったはずだった。しかし、反米武装勢力から「対米協力者」と非難されて700人を超す仲間を殺される中、暫定政府の治安対策強化に便乗して「報復」に出ているという見方が有力だ。

 イスラムシーア派の聖地ナジャフに対する米軍攻撃に憤ったバグダッドの自動車修理工アブ・ムハンマドさん(27)は7日に現地入りし、同派指導者ムクタダ・サドル師派の民兵マフディ軍団に合流。郊外の事務所で警備についた。

 9日、トラック6台に分乗したイラク警官ら数十人が現れ、アブさんらを包囲。両手を上げても銃撃された。仲間の2人が即死、1人が腕を切断する重傷を負った。

 アブさんは拘束され、警察署内などで拷問を受けた。逆さづりで全身を殴打され、右の肋骨(ろっこつ)2本が折れた。最初の2日間はパン一切れだけ与えられた。その後3日間は水もなし。この間、警官でもない男が「民兵に仕返しする」として監獄に乱入し、アブさんを銃で撃って尻にけがを負わせたという。

 アブさんはナジャフの部族長による仲介で釈放された。旧政権下で政治犯として2年間の投獄経験があり、「当時よりはるかにひどい拷問だった」と話した。 」


フセイン独裁政権を倒して悲惨な目にあっているイラク国民を解放したはずのイラク戦争はより悲惨な国内状況をもたらしています。
あたりまえの状況があたりまえのように噴出したに過ぎないのですが状況はあまりに悲惨です。サドル派の民兵に対峙するアメリカ軍はイラク人の治安警察を戦いの前面に押しやり更なる憎悪を形成させています。
イラクにおける米国の存在は善意の第三者では決してありえないことは白日の下にますますさらされつづけていきます。