「世界を不幸にしたグローバリズムの正体」

hippydonky212004-10-15

神戸新聞ニュースより
 自主再建を主張してきたダイエーが、産業再生機構の活用を受け入れた。「官から民へ」を主張する小泉政権下で、なぜ官主導の再建に舵(かじ)が切られたのか―。神戸出身で初期のころからダイエーを知る経済評論家の内橋克人氏に聞いた。

 公的機関である産業再生機構がどうして期限を区切って、機構の活用を迫ったのか。そのプロセスが納得できない。官が、自ら再生しようとする民の意志を踏みつぶし、強権発動するやり方には不快感を感じる。

 小泉政権は、「総合デフレ対策」の一環として二〇〇二年に再生機構の設立を決めた。だが、デフレは今も続いている。イトーヨーカ堂やイオンなど小売業の業績が上がらないのはそのためだ。

 デフレ対策が成功して景気が好転していれば、再建はもっと順調に進んでいた。約束を果たせない政権が、一方的に経営責任を迫るのは妥当だろうか。自らの責任は問わず、すねに傷を持つ主力銀行を脅して操り、窮地に陥ったダイエーを処理して改革の実績を誇示しようとする政治的な思惑がにじむ。

 総合スーパーなど全国にわたる店舗網は、多くの外資が支援に手を挙げるほど魅力的だ。カネボウの例からみても、再生機構は腑(ふ)分けをして、いいところから売却する。「ダイエー解体・処理」が進む恐れが強い。

 ダイエーは神戸らしい革新性で逆風をつき成長した。松下電器産業などと衝突しながら、価格形成の主導権をメーカーから消費者に移した功績は大きい。先頭を走る同社を風よけにして、イオンやヨーカ堂が育った。

 阪神・淡路大震災のとき、創業者の中内功氏は、自社も大きな被害を受けながら、被災地に入り、商品供給を途絶えさせなかった。地元・神戸の人たちにとっても喪失感は大きいはずだ。(談)

一度は辞意を表明した産業再生機構の社長のにやついた顔が今回のすべてを物語っているようです。
もともと再生機構に入り込んだ人たちは本当に会社を立て直そうとした人たちではなく、ただ単なる自己のキャリアのために仕事をしている人たちです。つまり彼らは2兆円の売上があり2万人以上の従業員を持つ巨大企業の再生をしたというステータスでもって次の転職を有利にしたいばっかりの人たちです。能力が伴えばいいんですけど、カネボウを見れば明らかかと。
(映画プリティーウーマンに出てくるリチャード・ギィヤー扮するファンドの社長は最後に人間味を帯びますがまあファンドなど所詮非常なものですから)
10兆円規模の政府保証ファンドのやりたい放題は、実のところ大量解雇と切り売りの二つしかやることなどありません。民間ファンドと違い利益など出す必要もなく、ましてや彼らに使う創造力はありませんから、カネボウのごとく切り売りと従業員の解雇だけが仕事です。まあ帳簿の計算にはたけているかと。(しかし再生機構の本質を見抜けず、花王に対する化粧品部門の売却を阻止したカネボウの組合こそピエロでしたが)
ダイエー解体と日本経済のハードランディングは小泉改革と同じで今の日本に何の利益ももたらさないでしょう。もっとも弱肉強食のアメリカ経済の衰退の歴史が始まっていますから、アメリカに従いたい小泉君としては地獄までもついていきたいんでしょう。
借りたものを返すという基本中の基本すらできなかったダイエーがもちろん問題なんですが、このことは小泉内閣による経済政策の無策の証拠にしかならないと思いますがどうなんでしょうか。