戦略的平和思考―戦場から議場へ

hippydonky212005-08-18

産経新聞より
 自民党は十六日夜、衆院選の第三次公認候補として、郵政民営化関連法案の衆院採決に欠席・棄権した古賀誠元幹事長(65)ら前衆院議員十一人のほか元職一人、新人九人の計二十一人を発表した。自民党はこの日も候補者擁立作業を加速。小泉純一郎首相(党総裁)は党本部で国際政治学者で上智大教授の猪口邦子氏(53)と会い、出馬を要請、猪口氏も受諾した。

どうもよくわからないのは政治学者が抽象論を超えて現実の政治に踏み出すとき、すくなくとも自分の理論や考察の道筋に忠実でありたいとは思わないのだろうか?ということです。
猪口氏は、少なくともジュネーブにおいて軍縮会議日本政府代表部特命全権大使の任を背負い、ましてや議長職にもなり世界の趨勢を何とか自らの理想に近づけようと努力したのではないのか。
彼女はその著作の中で
「戦争は外交の失敗の結果であり、戦場は議場の失敗の形態である」で
「平和は未だに恒久的なものでも保障されたものでもなく、時代の知識と外交の粋を折り合わせて守る希少価値であり、日々の細心の管理を要する脆弱な構築物である」
と述べているわけで、
「平和とは希望して訪れるものではなく、戦略的に深く画策し、猛烈な外交によって構築し、知識と情報の極限において守るものであり、そのような戦略的平和思考によって導かれた継ぎ目のない連続的努力によってのみ、辛うじて確保されるものである」
なら今の小泉外交に失望すれこそ
「首相の情熱をささえたい」と述べる論理はどこから来るのかとやはり問いたい。
ましてや話し合いを放棄し、北朝鮮経済制裁に突っ走る安倍氏が次期リーダなどと持ち上げられている自民党にどうして自らを埋没させることができるのか不思議でならないんですが。
つまりこういうことなのでしょうか。ジュネーブ軍縮会議議長としての職務は、パックスアメリカーナの実現の結果としての平和構築にすぎなかったと言うことで、アメリカに付き従うことだけが平和の道であると粘り強く各国を説得して回ったと。それが議論の結論であったと言うことなのでしょうか。
彼女が政治家になるは大いに結構ですが、まあ僕にとっても彼女の学生にとっても信用できない学者がまた一人増えただけのことです。
夫の猪口 孝氏の自民党の派閥政治の本すら読んでないんだろうか?まあ彼も国連大学にいながらブッシュのイラク戦争を肯定した人ですが・・・。似たもの夫婦か?