「9・11ジェネレーション」

hippydonky212004-09-11

asahi.comより
「世界を揺るがせた米同時多発テロの発生から、11日で丸3年となる。ニューヨークを始め米国の各地で10日夜(日本時間11日午前)、キャンドルサービスや住民の集いなどが行われた。11日は2749人が死亡した世界貿易センター(WTC)ビルの跡地や、ペンシルベニア州の旅客機墜落現場などで追悼集会が開かれ、事件の記憶を新たにする。ブッシュ大統領は毎週土曜日のラジオ演説を異例の生放送で行い、テロとの戦いの重要性を訴える予定だ。」


時のたつのは早いものであの9・11から3年目です。
犠牲者2749人の後に続いたのは、テロリストなのではなく、国家のあり方には同じように何のかかわりもない人たちのアメリカから遠く離れた地での死でした。


イラク戦争時)
アメリカに対する脅威を取り去ると同時に、地域を民主化できて一石二鳥の作戦に、なぜ反対する人がいるのかという<素朴な疑問を>抱いてしまう。」(9・11ジェネレーションより)
エリート校の生徒でありながら余りにも素直で、いやあまりにも単純すぎる思考は、おそらくいまのブッシュのアメリカを支えている人たちの思考とおそらく同じものでしょう。
「国際情勢について、自分が情報を受け取るときも、分析するときも、人間らしさをどこかに置き忘れないように」(同)という教育は、圧倒的にTVで垂れ流される好戦的な雰囲気と世論に立ち向かえなかったのも現実です。
日本の教育は、批判的に現実に立ち向かえる人を作り出す教育になっているでしょうか?


華氏911」に示しだされる事実を「あんなことはみんな知っている」と言うジャーナリスト達は「9・11ヒロシマナガサキに落とされた原子爆弾による犠牲者を上回る」(同)というアメリカ人の平均的な知識をまるで無視した発言でした。完全に官製報道に成り下がっているFOXや全米のラジオからしか情報を得ない半数以上のアメリカ人には恣意的な構成であろうと「華氏911」の事実は知ることのない事実なのですから。

(「華氏911」が恣意的な構成だからドキュメントではないという評論家は、評論家でありながら評論ができないアホです。報道の1枚の写真だって開けっぴろげの現実から1部を恣意的に切り取って構成されるに決まっています。それは写真に捕り手のバイアスだし、それを再びトリミングするのが編集者のバイアスです。有名な写真家の手によるベトナム戦争時に「自由への脱出」とされた川を渡る親子の写真は、片側に親子に銃を向ける米兵をトリミングした作為的なものでした。カメラで撮られる事実が現実だと思い込むのは余りに単純な思考です。文章と同様に写真や映像だって立派な主義主張の産物なのですから)