短信  (忘れませんよ。あなたの過去の言説を)

ローマ 28日 ロイター
イラク武装勢力に拉致され、3週間ぶりに解放されたイタリア人女性2人が帰国した。
2人はローマ郊外の空港に到着。空港にはベルルスコーニ首相も出迎え、到着の模様はテレビ中継された。
人質となっていたのは人道支援活動家のシモーナ・パリさんとシモーナ・トレッタさんで、28日朝イラクで解放され、すぐに空路で帰国の途についた。
クウェートの新聞は、身代金100万ドルが支払われたと伝えたが、イタリア政界筋はロイター通信に、身代金は支払われたが100万ドル以下だとしている。
この政界筋によると、今週初めに特殊部隊が2人の居場所を特定したが、安全を優先して強行策を避けた。


小泉首相や馬鹿のひとつ覚えみたいに自己責任、自己責任と大合唱した国会議員の重職にあられた御仁と評論家諸氏は完全なる思想的同胞のベルルスコーニ首相の出迎えをいかなる気持ちで見たのでしょうか。
日本人の人質やその擁護者をプロ市民だの、左巻きだのとの非難の合唱に乗り遅れさえしなければ、ありもしなかった自分のアイデンティティが、権力との一体化の高揚のためにあたかも自己の従属的立場を離れ、さもそれがあるように感じて手放しで喜びに浸たり、プチナショナルの気分に酔っていたかわいそうな方々も自分の幼さを嘆くことでしょう。
バブル経済の崩壊とともに自分の生活観や思想性をもはじけさせた親を持つ20代や10代のネットお宅系プチ右巻きの若者やどろどろ昼メロ欲情おばさん転じて、夢見る冬ソナ乙女チックおばさんたちが、社会に対する無批判性がゆえに力あるものに手玉に取られ、転げ落ちていくことしかできなくても、悲観的することなく、それもまた運命とあきらめてくださいな。
事ある毎に、自虐自虐とのたまえば、自己の過去の行為や現在の振る舞いが正当化されると思っている無反省でモラルハザードを地でいく大人たちが、そのありようを一番嫌っているだろうあなたたちと手と手を取り合っているのですから、救いようなどあるはずもありません。
わあ、言葉が汚くなってきた。もっとやわらかくいきたかったのに。
しかし情けないほど失望させられて出現した自己責任転じて自己無責任社会が、まさにオルテガ大衆社会であったことを、その大衆的先導者 西部 邁 もきっと嘆いていることでしょう。
ざまあないね。


ローマ 29日 共同
イタリア紙、コリエレ・デラ・セラ(電子版)によると、イラクで人質になっていたシモーナ・トレッタさん(29)のローマの実家を28日見舞っていた元人質のボランティア活動家、高遠菜穂子さん(34)が、トレッタさんの解放の報に立ち会い、母親や姉妹と喜び合った。
高遠さんは同紙に「驚くべき日だった。トレッタさんの家族と話していると、ちょうど解放のニュースが飛び込んできた。『あなたは(幸せをもたらす)天使です』と言われた」と語った。
レプブリカ紙によると、高遠さんの訪問目的は「同じ女性で、同じ経験をした者として、同情の意を示すため」で、ローマの後、アンマンに向かう予定という。


がんばれ高遠。あなたはそれでいい。