「広島・長崎 原子爆弾の記録」

hippydonky212004-10-25

時事通信より
熊本市立小学校の男性教諭(59)が肝試しと称して、被爆者の写真を児童に見せていたことが25日、分かった。校長はこの教諭を注意・指導。同日、一緒に全児童の家を回り、「配慮を欠いて申し訳ない」と謝罪した。
 市教育委員会指導課などによると、男性教諭は18日午後7時半すぎ、理科室で4年生の課外授業の「月と星の観察会」を開き、月などの学習ビデオを児童数人に見せた。その後、「肝試しをしよう」という話になり、教諭は、皮膚がケロイド状になった被爆者などA3サイズ12枚の写真を全員に見せたという。 

この記事のよくわからないのは誰に「配慮を欠いて申し訳ない」と思っているかと言うことです。全児童の家を回り謝罪していることを見ると生徒に対して本来見せてはいけないものを見せてしまったと思っているのでしょうか?
以前は海外に出るときは必ず1冊の本を携帯していきました。それは「広島・長崎原子爆弾の記録」と言う写真集兼資料集の英語版です。向こうで知り合った人々に手にとってもらい眺めてもらっていました。図書館にほしいと言われたときにはそのまま差し上げてきました。
そういう体験を通してわかったことは、本当に核の恐ろしさを知らない人たちばかりだと言うことです。多くの女性が嗚咽し泣き出し、フランスで知り合ったアメリカの女性には泣きながら「アメリカ人として日本人に誤りたい」とまでいわれ、こちらが戸惑ってしまいました。


イラク戦争の悲劇の写真がアメリカ国民から遠ざけられ、FOXに見られる戦意をあおる映像ばかりの中で人は思考力を失っていく。本当の戦場とは、人の死とは何かと言うことすら考えられなくなっていくのでしょうか。
ケロイドの被爆者の写真を汚らしいものとして遠ざけるわれわれの心の中にこそ、戦争を招き寄せるものがあることを、今こそ確認すべきなのではないのですか?
(肝試しの材料にされた被爆者の心は置き去りにされたままなのでしょうか?)