「ネオコンの論理」

hippydonky212004-11-18

asahi.comより
ブッシュ米大統領は16日、辞意を表明したパウエル国務長官の後任に国家安全保障問題担当のコンドリーザ・ライス大統領補佐官(50)を指名した。上院の承認を得て正式に就任する。与党共和党が多数派の上院で承認されるのは確実とみられ、アフリカ系女性として初の国務長官となる。議会筋によると承認は来年1月ごろになる見通し。ライス氏の後任には、スティーブン・ハドリー副補佐官(57)が昇格する。

飛び級の末、15歳で大学に入学した天才ピアニスト・コンドリーザ・ライスは、志望を国際政治に変えて大学を卒業しています。15歳の天才ピアニストは感性ではなくおそらく努力とそれに伴った技術で頭角を現したのでしょう。しかし豊かな感性を要求される音楽よりも事実というリアリズムで割り切れる国際政治を志望として選び取っただろうことはきっと彼女の国際政治の考えからすればそんなに間違った想像ではないと思います。国際政治のテーマも冷戦下にあって花形であってそしてまた単純な二分法で割り切れた対ソ戦略を選んだことすら、今の彼女から想像できてしまうくらい全く持って複雑な方ではありませんしきわめて考え方が直線的です。
ソビエト崩壊を予言したとしてもてはやされていますが、ライスはレーガンソビエト対決政策で経済的に自壊すると推論したのであって、よもやゴルバチョフの登場を予言したのではありません。国際政治はマクロ的事実は強いもの勝ちという単純な事実ですが、そこに構成される個々の要素はきわめて複雑に絡み合っていることを認めようとはしていないことは、ブッシュ政権の中核のネオコン派の考えと同様でしょう。それがアメリカ人得意の単純な善と悪の2分法かどうかはともかく、世界にとってはありがた迷惑意外何者でもないでしょう。ブッシュが単純にも「アメリカの味方でなければ敵だ」と割り切った世界は神と悪魔しかいない聖書の世界観に集約されるしかないのでしょうか。今のアメリカの味方になれるほど単純でもないしましてや敵などではない複雑な立場の模索は、ブッシュにとっては存在できないのでしょうか。12使徒になりたい小泉とは違ってはユダ以外ないとでもいうのでしょうか。
ネオコンが素直に語る強大なアメリカ帝国の有り様からは、あれほど文化も文明もそして軍事力も強大だったローマ帝国の歴史を学び取ろうとはまだ思ってはいないようです。