短信   (感情ではなく論理の問題)

共同通信より
自民党武部勤公明党冬柴鉄三両幹事長は22日午後(日本時間同)、北京の人民大会堂で中国の胡錦濤国家主席と会談した。胡主席歴史認識問題に関し「目にしたくない動きが日本にある」と指摘。具体的に(1)日本の指導者層の靖国神社参拝(2)台湾問題への対応(3)歴史教科書問題−−の3点を挙げ、小泉純一郎首相の靖国参拝中止などを再度要求した。
 その一方で、胡主席は「中日関係の友好発展は両国の根本的な利益にかなう」と述べ、両国の関係強化に努める考えを表明した。
 武部氏は歴史問題について「過去の過ちを二度と繰り返さないよう、歴史を風化させてはならない。こうした考えを若い人たちに伝えたい」と強調。4月の日中首脳会談で胡主席が示した、日中共同宣言の順守や歴史の反省など日中友好に向けた5つの提案に「対応する」との小泉首相のメッセージを伝えた。

はっきり言えるのはこれは感情ではなく論理の問題だと。


中国政府は先の戦争の原因を日本における指導者層の問題であると定義してきました。その意味においては日本の国民も中国国民と同じように被害者であると。しかしその加害者であるべきA級戦犯靖国神社に合祀されている以上、日本の指導者がどんな理由であれ参拝するのは、口でどんなに平和を語ろうと加害者の論理の側に身を置くことになるのだし、中国にとって被害者としてともに手を取り合うはずだった日本国民が実はそうではなかったことになり、日本にとっては曲がりなりにも中国の強硬な意見を押さえ込んでいた論理が破綻することを意味するのです。
だから日本の指導者層の靖国参拝は、感情ではなく論理の問題であるから譲れない一線なのです。
日本にとってはこれほどありがたかった中国政府の論理を、逆に日本の側から破綻させることがまともな神経の指導者ができることだとは思えません。中国政府のある意味中国国民の感情を無視する冷徹な論理に対して、感情で向き合う日本側のとんまな人たちこそ少しは冷静になったらといいたいわけです。
合理主義の中国指導者と感情論に突っ走る日本の指導者。事の真相は実は多くの日本人たちが思っていることと逆なのです。
もう一度言います。これは感情ではなく論理の問題だと。