短信  (本当に自民党の役割は終わった?)

asahi.comより
野田氏対抗馬、外資系の女性エコノミスト 佐藤ゆかり

 郵政民営化法案反対派の代表格の野田聖子氏(44)の地元、岐阜1区に、自民党執行部が送り込む候補がついに決まった。東京都出身のエコノミスト佐藤ゆかり氏(44)。主な立候補予定者が出そろい、総選挙に向けた準備にますます熱が入っている。

 20日夜、党本部で記者会見した佐藤氏は、「野田聖子先生は、大変尊敬を申し上げている。ジェンダーの戦いではなく、政策の戦い」と強調した。小泉首相から「みんなの心をしっかりとらえるように頑張ってください」と言われたという。

 佐藤氏は、米ニューヨーク大で経済学博士号を取得し、04年からクレディ・スイス・ファースト・ボストン証券のチーフエコノミスト自民党政務調査会財政改革研究会アドバイザーも務める。今年4月、新聞社の取材で郵政民営化について「国債消化を優先し、金融の効率化が期待できない」として、「50点」と採点していた。

ある意味自民党という党は本当に変わったんだなと思うことしかりです。
野田聖子氏の地盤のある岐阜市
元気のいい中部圏と言いますが、それは中部圏の中核都市名古屋だけ。
たとえば岐阜市にあるデパートは名古屋駅高島屋ができ、そして郊外にも大型スーパーができたせいで駅ビルにあった名鉄が閉鎖。市の中心部の柳が瀬は寂しい限りだそうです。電車に乗れば30分で名古屋へ。東京などうらやましい限りの通勤圏ですが、どこでもそうですが大都市周辺の地方の変化は、荒廃へと進む以外ないのでしょうか。
愛知の豊田市が世界のトヨタを背景に周辺農村、山間部を巻き込んで大合併をしました。愛知県の真ん中は全部豊田市です。ここでは都市が周辺農村、山間部をもその生活圏として守っていくという姿勢が示されたわけです。ただただ公務員削減の名目だけで市町村合併が行われ、(それ自体かなり異質な合併です。遅れてきたサッチャーレーガン主義を小泉首相が標榜しても、欧米の自治体の規模を知らないのでしょうか)大きくなるばかりが能じゃないけど、少なくともここでは都会の資金を農村部にも回すという共助がトヨタの指導で進められたわけです。(日本の現状では自治体間のお金の移動はできないわけで、大きくなるしかない訳ですが)



さてその岐阜市ですが、県庁所在地としてもこの有様です。そこにもっとも似つかわしくない外資系のエリートが落下傘候補としてくることに、自民党の変化を見たわけです。
都市と農村の対立はともかく、自民党の代議士は少なくとも地方の地盤の中から生み出されたわけで、だから都市の不満が自民党の崩壊と民主党の拡大をもたらしたわけでしょ。思想的にも両党にそんなに違いはないわけですし、日本的二大政党は、思想性の違いではなく、都市党と農村党という対立だったわけです。それなのにああそれなのに・・・。自民党の都市型政党への脱皮は必然とはいえ、そうであれば旧来の支持層を裏切っていくわけです。そう考えれば一番似つかわしくない候補が野田氏の刺客として参上しても、そこに自民党の変化への必死さは見えても、もう笑うしかないといえます。
地方は、本当に東京からしか発想ができない人たちに(大マスコミしかり)、うんざりしている訳ですが、ともかくも戦後世界に名だたる社会主義?国家を作った自民党の役割はいよいよ終わった感じですね。

50点の落第の答案を示されて、それでも自民党で出馬する心理は、単なる政治的野心なのでしょうね。もっとも比例上位なら楽々当選でしょうが・・・。