短信  (郵政民営化という甘い蜜の味は?)

asahi.comより
総選挙での自民党圧勝を受け、所得税・個人住民税の定率減税見直しを手始めとした「増税路線」の地ならしが、早くも本格化しそうだ。石弘光政府税制調査会長は、小泉首相が公約した07年度の「抜本的税制改正」の素案づくりに、来年早々にも着手する考えを表明。来夏をめどに「増税プラン」のたたき台が国民に示される見通しだ。

郵政民営化を訴えて改革政党へとやらに自民党は脱皮したと述べた幹部がいらしたそうですが、朝日の世論調査を信用するなら、有権者自民党は変わらないと大半が思っているようで、まあ大勝利に喜び勇んでというか勇みすぎたわけですね。
そんなことより郵政改革で350兆もの資金が民間にたとえ流れたとしても(もし流れたら国債の消化ができず、国債暴落、経済破綻ですね。だから流れるのは微々たるものですが)、それが日本経済の浮上につながらないことがしっかり数字で示されていることを知らないとしても多くの方は本当は、なぜ郵政民営化が改革なのかは実はどうでもよかったような気がします。
年々庶民の暮らしが悪くなっていることは実感として認識しているのという前提に立てば、その中でなんとか自分の生活が向上してほしいとの願いは、つまり改革してほしいという願いは、日本経済がそうなってきているように(上下の拡大)、全体の向上などではなく、自分の生活の向上というきわめて身勝手な論理にしかすぎなかったのではないかと思えて仕方がないのです。
そのための郵政改革は政治家にとっても、庶民にとっても甘い密だったのではないのでしょうか。いや甘い蜜以上にスケープゴードだったのでしょう。地方と郵政公務員という身分に対して。
しかし選挙というハレの世界で差し出した生け贄は、その快楽の源かもしれませんが、熱狂の後に再び始まったケの世界では、自らがその生け贄と化してしまうことに気がつくのはもうすぐそこなのです。
そのことが逆にやるせない気持ちにさせるのです。