「議論のウソ」

hippydonky212005-10-25

asahi.comより
 自民党の「歴史的大勝」はなぜ起きたのか。総選挙から1カ月半。有権者の意識を改めて探るため、朝日新聞社が22、23の両日、全国世論調査(電話)を実施した結果、自民候補に投票したと答えた人は、メディアの選挙報道から「影響を受けた」と答えた比率が他党候補に投票した人より高く、一番参考にしたメディアとしてテレビを挙げる割合も高かった。与野党とも、世論を突き動かす「メディア選挙」の深化とともに、その怖さも感じ始めている。

 今回の総選挙を「おもしろかった」と答えた人は52%で、「そうは思わない」の39%を上回った。とりわけ20代では「おもしろかった」が男女とも6割以上だった。

 メディアの選挙報道から「影響を受けた」人は「大いに」と「ある程度」を合わせ53%。影響を受けた人は、70歳以上(49%)を除く各年代で過半数を占めた。自民候補に投票した人では、「影響を受けた」が63%と目立つ。

 総選挙で一番参考にしたメディアは、「テレビ」が51%、「新聞」が40%、「インターネット」が4%だった。自民候補に投票した人では「テレビ」が56%と多く、「新聞」は39%。一方、民主候補に入れた人は「新聞」が48%、「テレビ」が44%と、対照的な結果となった。

 女性では「テレビ」が58%で、「新聞」の34%を引き離し、すべての年代で「テレビ」が上回った。これに対し男性では、「新聞」46%、「テレビ」44%と伯仲。20代〜40代では「テレビ」が多いが、50歳以上では「新聞」が「テレビ」を上回る。

 総選挙でメディアが特定の政党や選挙区ばかりを取り上げている印象を持ったかどうかを聞くと、50%が「持った」と答え、「持たなかった」の41%を上回った。「持った」は民主候補に投票した人で60%と高いのに対し、自民候補に投票した人では「持った」46%、「持たなかった」44%と見方が割れた。

朝日としては、メディアが自らの行為に反省と自戒をこめてこの種の調査をしたとしても、たぶん特にテレビの方たちは、自分たちの影響力の大きさをを自負心に衣替えし、これからも図に乗るって言う構図が描かれるだろうと思うのは憂いでしょうか?
メディアリテラシーを学ぶことなく、情報の一元化にさらされているという認識がない。ネットによってあたかも多様な意見に接していると誤解し、(ネットの情報ほど気がつかないうちに、いやむしろ自分の意志で恣意的に集められていることすら気がつかない訳で)、あたかもそこに自らの決定が存在しているがごとく思いこむ。テレビとネットというバーチャルな世界の体現が、あたかも自分の皮膚感覚のごとく自己の中に拡散してしまうことにすら気がつかないできた人たちが、さらなる誘導に拍車をかけているという現実。


そうであるなら、ともかくもどれだけ自己の作られた経験感覚から一歩身を離しておけるかが焦点のような気もします。