短信  (他人事じゃない獄死)

東京新聞より
共産主義を宣伝した」などとして治安維持法違反容疑で雑誌編集者らが逮捕され、4人が獄死した戦時下最大の言論弾圧とされる「横浜事件」で、終戦直後に有罪判決を受けた元被告5人の遺族による第3次再審請求即時抗告審について、東京高裁(中川武隆裁判長)は10日、再審開始とした横浜地裁決定を支持、検察側の即時抗告を退けた。

 2003年4月の横浜地裁決定は「言論や思想の自由確立を求めたポツダム宣言の受諾で、元被告に適用された治安維持法1条と10条は実質的に失効していた」と指摘し、旧刑事訴訟法上の免訴を言い渡す場合に当たるとして再審開始を決定。不服とする検察側が即時抗告していた。

 判決から60年近くを経ての高裁決定で、元被告は全員死亡している。

 請求人は雑誌「中央公論」編集部員だった男性ら元被告5人の遺族。5人は1945年8月14日のポツダム宣言受諾後から9月にかけ有罪判決を受けた。

 横浜事件では、雑誌「改造」の1942年8月号と9月号に、社会評論家の故細川嘉六氏の論文「世界史の動向と日本」が掲載されたことなどを契機に、「改造」編集者ら60人以上が神奈川県特高課(当時)に逮捕され、30人余りが起訴された。多くは終戦直後に懲役2年、執行猶予3年の判決を言い渡された。

 1次、2次の請求は最高裁まで争われたがいずれも棄却。02年3月には別の遺族が横浜地裁に4次請求している。

大学時代の哲学の先生は終戦の9月に三木清が獄死したことを決して忘れてはいけないとおっしゃっていました。日本人は自らの手で三木を救い出すことがなかったと。
自民党憲法表現の自由の制限まで論議し始めた今、安保や愛国の言葉遊びにうつつを抜かしていると、再び治安維持法の亡霊が姿を変えて徘徊し出しますよ。
プチナショナルなお方にとっても他人事じゃないと思うのですが・・・。