短信  (遅れて着いたらリセットしてばかりだからなあ)

読売新聞より
考え事して…常磐線小木津駅で170mオーバーラン

 2日午後1時44分、茨城県日立市日高町のJR常磐線小木津駅で、上野発いわき行き下り普通電車(7両編成、乗客約120人)が、停車位置を約170メートル行き過ぎて止まった。

 ホームから約120メートル先にある踏切に達しており、後退すると踏切が誤作動する恐れがあるため、約5分遅れでそのまま出発。降車客14人は、次の十王駅からJRが用意したタクシーで戻り、乗車する1人は後続の電車を利用した。

 JR東日本水戸支社によると、男性運転士(44)は「考え事をしていてブレーキをかけるのが遅れた」と話している。同支社管内では昨年12月27日にも、水戸線大和駅で普通電車が80メートルオーバーランしており、支社は「安全安定輸送の確保は鉄道事業者の責務。再発防止に努めたい」としている。

昨年一年間で駅の停車位置からオーバーランした列車に二度乗り合わせた自分の経験から言えばニュースになることかねえ?と不思議がってみる。
オーバーランしても列車に乗り合わせた人たちは別段あわてた様子もなく、
「やってしまいましたね」
「運転者が快速だと思いこんで通過しようとしたんでしょ」
とにやつくぐらい。
車内放送でひたすら謝り続ける車掌に皆さん逆に同情的でした。
まあそれは比較的時間の余裕のある夜間だったからでしょうか。


福知山線の事故以来、何事にも敏感になることは悪いことではありませんが、単なるセンセーショナリズムのマスコミが飛びついたにすぎない事柄でしょう。
ふつうなら発表すらされないでしょうに。

読売新聞より
兵庫県尼崎市のJR福知山線脱線事故を起こした快速電車が、直前に停車した伊丹駅オーバーランした距離について、複数の乗客が「JR西日本が明らかにしていた40メートルではなく50メートル以上だった可能性が強い」と証言している。

 この問題では、亡くなった運転士と車掌が口裏合わせしてオーバーランの距離を「8メートル」と虚偽報告、その後、JR西日本が「40メートル」に訂正していた。

 証言したのは、兵庫県伊丹市の女子大生ら。女子大生は快速電車の3両目のほぼ中央に乗車しており、「伊丹駅に停車した時、目の前にホームがなかった」と話している。

 快速電車は1両の長さが約20メートルで、この証言通りなら、少なくとも50メートルがホームからはみだしていたことになる。JR西日本は「正確な距離の確認方法がなく、伊丹駅での行き過ぎはあくまで約40メートルと考えている」としている。

これも4月30日の読売ですが事故列車のオーバーラン距離が40メートルが50メートルになっても何の意味があるのでしょうか。オーバーランして遅れ、その遅れを取り戻そうとして速度を上げたことには代わりはないでしょうに。
JRの隠蔽体質だ。と言いたいのでしょうがあくまでも40メートルは車掌の目測の値でしょう。
これもたぶん同じ記者、同じ編集者のセンセーショナリズムのくだらなさだけがでているだけです。


思い出したのは以前、加工食品に異物が入っていたと連日報道され、そのたびに食品メーカーが謝罪する光景がありましたが、本当に一時的な現象でしたね。告発して大枚をせしめた人たちに踊らされただけで(まっとうな正義感の人もいたでしょうが)今は、どうなんでしょう。異物が入っていたって新聞沙汰にはならず、まあお客様相談室からなにがしかの謝罪と粗品ってとこでしょうか。
食品の安全が声高に叫ばれ、食品メーカーも努力はしているでしょうが未だに混入率がゼロになってはいません。まあ無理ですよね。


ゲーム「電車でGO」をやられたかたはおわかりでしょうが、時刻表を守り、それでいて停車位置で止めるなんて神業以外ではありません。遅れもなくぴたりと止めようなら皆の注目の的でした。それほど困難な作業を運転手さんたちが強いられていることを知っている事は、運転手さんたちを職業人として尊敬してあげられる自分を作れるのではないかと思ったりします。そうであればたかが1分や2分の遅れや、めずらしいオーバーランに乗り合わせた事の偶然にも話のネタができたと寛容になれるのではないでしょうか。もちろん考え事はいけませんし、安全運行が保証される範囲においてはですが。
(ヒューマンエラーは機械的に制御できるのが大前提ですし、その点JR西日本は鉄道会社の体をなしてはいませんし、107人の方の命と引き替えにされたJR西日本の愚かさはあきれるばかりです。信楽高原鉄道の事故からはなにも学ばなかったどうしようもない経営者がいたと言うことです)